
どうも、ICUのカピバラ先生ことDr.カピバラです。
最近日本では地震が多く、大型地震の場合は災害となります。そして災害現場での医療活動は、迅速な対応と正確な判断が求められる厳しい状況です。
そこではCSCATTTの原則を実践することが、効果的な医療対応の鍵となります。この記事では、CSCATTT原則を具体的な例を交えながら解説し、災害医療の実践に役立つ情報を提供します。
CSCATTTとは?
CSCATTTとは、多数傷病者発生事故に医療機関が対応するための戦術的アプローチを示したものであり、“Command & Control、Safety、Communication、Assessment、Triage、Treatment、Transport” の7つの基本原則の総称です。
読み方はそのまま「シーエスシーエーティーティティー」です。
以下では各項目について簡単に説明します。
【Command & Control(指揮と統制)】
災害発生時、医療チームの指揮官は混乱を避けるために迅速に行動しなければなりません。例えば、地震の被害地域では、医療機関の院長が指揮を執り、各部署に適切な役割を割り振ります。このように、明確な指示によって医療活動を効率的に統制することが重要です。
【Safety(安全)】
安全確保は災害医療の中心的な課題です。例えば、化学物質が漏れ出した事故現場では、医療従事者は防護服を着用し、安全なエリアでの作業を心掛けます。また、医療施設に避難してきた被災者の安全を確保するため、適切なエヴァキュエーション計画が立案されます。
【Communication(コミュニケーション)】
情報共有が円滑に行われることは、医療チームの協力と効果的な医療活動の鍵です。例えば、医療従事者はラジオやスマートフォンを使用して、患者の状況や医療資源の状況をリアルタイムで共有します。また、被災者やその家族とのコミュニケーションも重要であり、安心感を提供することが大切です。
【Assessment(評価)】
現場の状況を正確に把握するために、医療従事者は迅速な評価を行います。例えば、交通事故の現場では、救急隊員が傷病者の数と重傷者の状態を評価し、優先順位を決定します。このように、正確な評価が適切な医療資源の配分につながります。
【Triage(トリアージ)】
トリアージは、医療機関での医療資源の優先順位を決定するための重要なプロセスです。例えば、火災現場で発生した多くの火傷患者の中から、最も深刻な症状を示す患者を優先的に治療します。この段階での迅速かつ正確な判断が、医療活動の成否を左右します。
【Treatment(治療)】
災害現場での治療活動は、傷病者の命を救うために最優先されます。例えば、建物倒壊事故の現場では、救助隊員が救助された被災者に対して応急処置を施し、重傷者を迅速に医療機関へ搬送します。このように、迅速な治療が生存率を高める重要な要素となります。
【Transport(輸送)】
必要な場合には、傷病者を適切な医療機関へ輸送する必要があります。例えば、大規模な交通事故の現場では、救急車やヘリコプターを使用して、重傷者を迅速に医療施設へ搬送します。このように、適切な輸送手段の確保が重要です。
具体例
では、実際の災害現場でのCSCATTTの原則を、具体例で説明します。
【Communication(コミュニケーション)】
例えば、地震が発生し、多くの建物が倒壊したとします。この状況下で、医療機関の指揮官はラジオやスマートフォンを使用して、救急隊員や他の医療従事者と継続的にコミュニケーションを取ります。彼らは被災者の状況や医療資源の状況をリアルタイムで共有し、効果的な医療活動の計画を立てるために情報を交換します。
【Safety(安全)】
災害現場での医療活動は、安全が最優先事項です。例えば、火災が発生した場合、医療従事者は防護服やヘルメットなどの適切な防護具を着用し、自身の安全を確保します。また、建物が倒壊している場所では、医療機関は救助作業を行う隊員に安全な作業エリアを指示し、作業中のリスクを最小限に抑えます。
【Command & Control(指揮と統制)】
災害現場では、医療チームには明確な指揮系統が必要です。例えば、地震の被害地域では、医療機関の院長が指揮を執り、救急隊員や看護師などの各部署に適切な役割を割り当てます。彼らは現場の状況を把握し、適切な指示を出すことで、混乱を最小限に抑え、スムーズな医療活動を実現します。
【Assessment(評価)】
医療従事者は、災害現場での評価において迅速かつ正確でなければなりません。例えば、大規模な交通事故の現場では、救急隊員は傷病者の数と重傷者の状態を迅速に評価し、優先順位を決定します。この段階での迅速な判断が、被災者の生存率を高める鍵となります。
【Triage(トリアージ)】
トリアージは医療資源の優先順位を決定するための重要なプロセスです。例えば、火災現場で発生した多くの火傷患者の中から、最も深刻な症状を示す患者を優先的に治療します。このように、トリアージによって医療資源を効果的に配分し、重症患者に対する優先的な治療を行います。
【Treatment(治療)】
災害現場での治療活動は、傷病者の命を救うために最優先されます。例えば、地震で倒壊した建物の下敷きになった被災者に対して、救急隊員は応急処置を施し、迅速かつ効果的な救出を行います。また、医療機関では、重傷患者に対する適切な治療が迅速に行われます。
【Transport(輸送)】
必要な場合には、傷病者を適切な医療機関へ輸送する必要があります。例えば、大規模な自然災害で多くの被災者が生じた場合、救急ヘリコプターや救急車が使用されて、重傷患者を迅速に医療施設へ搬送します。このように、適切な輸送手段を確保することで、患者の安全かつ迅速な移動が実現されます。
【まとめ】
災害現場での医療活動は、CSCATTT原則に基づく戦術的アプローチが不可欠です。指揮系統の確立、安全の確保、効果的なコミュニケーション、現場の評価、トリアージ、適切な治療、そして効率的な輸送が、迅速かつ効果的な医療対応を可能にします。医療従事者は、事前の訓練や準備を行い、災害発生時には迅速かつ的確な行動を取ることが求められます。
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