
どうも、ICUのカピバラ先生ことDr.カピバラです。
ICUの患者では、術後の患者が入室することもあります。
そしてICU入室カルテを書く際に、術前検査でスパイログラムの結果を書くことがあります。

しかし、スパイログラムの結果を見ると略語が多く、どれを書けばいいか分からないという方が多くいます。
今回はICUに入室する術後患者の、術前検査のスパイログラムの見方を解説していきます。



スパイログラム(spirogram)とは?
スパイログラムとは機能試験の一つであり、肺の容量や機能を測定するための一般的な検査方法です。
肺活量測定(VC test)と努力性肺活量測定(FVC test)の2種類があります。
【肺活量測定(VC test)】

【努力性肺活量測定(FVC test)】

検査方法については上記画像・動画の通りですので割愛します。
検査結果
それぞれの検査結果は、以下の通りとなります。
【肺活量測定(VC test)】

【努力性肺活量測定(FVC test)】

肺機能障害
VC test、FVC testと行うと、肺機能障害を評価することができます。

国家試験でもよく問われるものですが、1秒率FEV1.0%と%VCから上記の4つに分類されます。
なお%VCとは、%VC=(測定された肺活量VC/予測される肺活量)×100から算出される値です。
スパイログラムの結果の見方
さて本題となります。
おそらくどの施設でもスパイログラムの検査結果は以下のようになっていると思います。

略語ばかりですが、VC testの検査結果の見方の図を参照していただくと、多くの略語の意味がわかるのではないでしょうか?
肺機能障害を評価するために必要なものは上記の通り1秒率FEV1.0%と%VCです。
そしてこれらがどこに書いてあるか、良く聞かれるのですが、下記の通りとなります。

%VCは、測定VC/予測VCですので、VCの欄の%予測値の値となります。
またFEV1.0%は、そのままFEV1.0%の測定値となります。なおFEV1.0の測定値はその上段になります。
FEV1.0%(G)とFEV1.0%(T)の違いは?

検査結果によっては上記のように、1秒率FEV1.0にGとTの2種類あることがあります。
Gaensler の1秒率 =1秒量/努力肺活量(FEV1.0/FVC)
Tiffeneauの1秒率=1秒量/肺活量 (FEV1.0/VC)
一般的に1秒率と呼ばれるのはFEV1.0(G)の方です。
最後にまとめ問題を用意しました。ページが多くなってしまうので、別の記事にしますがぜひ解いてみてください。

以下サイトを参考にしました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/109/12/109_2496/_pdf
コメント
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