
どうもカピバラ先生ことDr.カピバラです。
輸血を行う時に「カリウム吸着フィルターを使いますか?」と聞かれ、とりあえず「お願いします。」と言ったものの
「じゃあ繋いでください。」と言われてしまいアタフタしたことはありませんか。
いつ使うのでしょうか?どのように接続するのでしょうか?
高カリウム血症の時は致死的不整脈が出現します。

そして高カリウム血症の時は、緊急透析の適応です。

緊急の時は説明書を見ている暇はないので、あらかじめ勉強しておきましょう。



カリウム吸着フィルターとは
SBカワスミ株式会社から販売されている「カリウム吸着除去用血液フィルタ」は、
①カリウム値が気になる未熟児・新生児の輸血
②高カリウム血症の患者に対する緊急大量輸血
の際に、輸血血液中の過剰カリウムを80%以上吸着・除去できるものです。
特に②はMTP(大量輸血プロトコール)が発動した際には非常に重要です。詳細は以下の記事を参考にしてください。

また急速大量投与する場合はLevel1を使います。

そもそも保存期間が長いWBCを投与するとカリウム値が上昇しやすくなります。
カリウム除去フィルターを使用することでカリウム上昇を軽減することができます。

基本構造

基本構造は上記のようになっており、普通のルートにフィルターと開通ピースが付いているのが特徴です。
使い方
さて、さっそく実際の使い方を紹介します。
針を生食に繋げる

まずは本体のプラスチック針を露出させ、生理食塩水に接続しましょう。
開通ピースを開通させる

いつもの輸液と違う工程の一つで、フィルターの下に開通ピースがあります。
開通ピースを左右に曲げて折り、完全に開通させます。
生食で水通し

もう一つの特殊な工程です。
カラムを逆にしてカラム内の空気を上に集め、ローラークランプを徐々に開けて空気を追い出しクランプを閉じます。
カラムの向きを元に戻した後に200mL以上の生理食塩液を流し、再度ローラークランプを閉じます。
以上でまずはプライミングが終了となります。
続いてベットサイドで輸血を開始していきます。
RBCを投与する

プライミング終了後、生食をRBCに付け替えます。
その後ルート内の生食を捨てるためクランプ解除しルート内をRBCで満たし、完了したら輸血開始です!
輸血終了時には フィルター内の残血を回収するためにゴムボタンに通気針を穿刺し、清浄します。





説明は以上になります。
いかがでしたでしょうか?1度理解すればすぐにできるようになると思います。
SBカワスミ株式会 HPより抜粋しております。原理等の詳細が知りたい方は参考にしてみてください。
SBカワスミ株式会社:https://www.sb-kawasumi.jp/medical/product/detail.html?pdid=3
また以下の本は非常にわかりやすいので参考にしてください。
コメント
コメント一覧 (3件)
[…] ましょう。高カリウム血症を合併していた場合はカリウム除去フィルターを使用しましょう。 […]
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